*干支の酉
幅200×奥行き150×高さ35


干支の酉を作ってみました。残念ながら私のオリジナルではなく、アメリカの木工誌に作家作品として、掲載されていました。余りに美しいので自分でも挑戦してみました。ただ個人がこのようなものを簡単に思い付くのでしょうか?おそらく伝統工芸品かなにかに、ヒントがあったのでしょう。

材料は檜の周辺部の白身を使用しました。本にはヒマラヤ杉とありましたが、ここいらにはありません。杉の方が良かったかも。このような加工はベタベタの生木でないと出来ません。冬切りの檜の赤身はすでに結構乾いていますが、白身は殆ど水分です。また周辺部は節が少ないので好都合です。少しでも木目に乱れがあると、薄く剥ぐ(へぐ)ことができません。

生木を利用した製品は各国にあり、日本でも昔は、椀作りは木地師が、山から山を渡り歩き、小屋掛けをして、木を切ることから始めて、あらかたチョウナで粗彫りしたものを、里におろしていました。当時は現在のような電気の木工旋盤等ありませんでしたから、今回のように木目の素直なものしか製品に出来なかったようです。

このような仕事は手馴れが必要で、私も最初の一羽を作るのに三日を要しました。また、薄く剥ぐための刃物を二種類、自作しました。

やはり、木地を剥ぐのと、羽の付け根を、曲げ易いよう、とれないように、僅かに残すのが難しいです。アメリカの作家は、何万羽と作っているので、なんと7分で仕上げるそうです。材料もよいのでしょうが。

酉は、本当は鶏だそうです。すみません。それからこの鳥は、孔雀ではなくて、水鳥が飛行中か、着水した瞬間をイメージしたものと考えています。
 
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