ブックマッチング ブックマッチングとは坂を2枚にスライスして本を開くようにパタリと広げて接着し一枚にする技法である。2枚はぎなわけだか、木目は左右対象となり面白い効果を生み出す。左右対称といってもノコとカンナの分が削られているわけで、その表情の違いが味わえる。 私は座卓の天板には一枚坂かブックマッチングしかないと考えている。日系アメリカ人の木工作家ジョージ・ナカシマの命名らしいが、正倉院の厨子の観音開きの弄にはよく使われている。 とりわけ大径材の少なくなった昨今、この技法は座卓作りには福音である。直径50センチの丸太でも材料になるからだ。しかし単なる若木ではいけない。蔽しい環境で少しずつ成長した木でないと、或いは何らかの特徴がないと、味わいのある座阜はできないのだ。