正倉院のウソ 正倉院は校倉造りで、断面を三角形に削った丸太を積み重ねて壁が作られている。今でいうログハウスである。その丸太が雨の時には、膨張して湿気を遮断し、晴れの時には、わずかな隙間を生じ外気を入れ、一定の湿度を保ち1200年の長きにわたって宝物を良好な状態で保存した。 という話を聞いた人は多いのではないだろうか。しかし現在これは眉唾説とされつつある。なぜなら、確かに木材は直径が湿度に応じて伸縮するが、丸太は柱に固定されておらず、積み上げられただけなので、壁面の全体の高さが上下することはあっても隙間は空かないのである。むしろ、丸太の荷重が常にかかっているので隙間はまったくないのではないか。ではなぜ宝物は保存できたのか、それには3つの理由があるとされている。 まずは丘陵の中程に東向きに建てられ高乾燥の環境であるということ、次に床下が3m近い高床式であること。そして最も重要とされているのか長持の存在てある。長持の中の湿度は正倉院内において、はば70%に保たれるという。その証拠に長持に入れられてなかった屏風は全てクズになっているという。 こんなわけで『校倉造り湿度調節説』は怪しいとされている。以下は私の自説ですが、丸太の断面を三角形にしたことになにか、防湿、建物自体の耐久性等意味があるのではと考える。確かに、三角丸太の校倉造りは正倉院の美しい姿の重要なエレメントとなっているが、デザインだけでこのようなことをしたとは考えにくい。大変な労力だし、木取りからしても、もったいないのである。一つには丸太同士の接地面を減らし、単位面積当たりに、より大きな荷重がかかり密閉度を増したのではないか。また表面積を増やすことによって湿気を積極的に排出したのてはないか。単なる丸ログや角ログとの違いは何なのか誰か知りませんか。ちなみに現在宝物は、電気的に管理された鉄筋コンクリートの建物に保管されているそうです。